はじまりの話

壊れたマザーボード

20代の頃は新しい情報や気になるソフトがあればすぐに吸収していたのに、いつの頃からか、まるでついていけなくなっている自分がいたのです。

それまでは、何か覚えたいスキルがあったとき、適当に使っていくだけで何となくわかっていました。それが、どこから手をつけていいものか全く分からないことが増えていきました。とにかく「ちんぷんかんぷん」なのです。特にネット関連の新しい技術...聞いたこともない用語が増えました。時代の波に乗っていると思っていたのに、完全に乗り遅れた自分がいて、とてもショックを受けました。

2007年にパソコン教室をクローズしたとき、自分のスキルに全く自信が持てない状態でした。

それまではパソコンを使うのが大好きで、毎日16時間も使っていたのに、パソコンの前に座るのも嫌な日が続きました。

右手はしびれ、左目の下のあたりがピクピクと痙攣し、目を閉じても奥の方がギラギラしている感じでした。

まるで、自分の中のマザーボードが壊れてしまったようでした。


パソコンは「目的」ではなく「道具」

陶芸を初めて、粘土に触れることで体中がリラックスし、とても癒されました。

何もないところから形を作っていき、それでも思うような形には全くならないし、思うような色もでない...できないことだらけの世界だから、気楽にできたのです。

その後、2年間のパソコンの使い方といえば、陶芸の記録をデジカメで撮影し、ブログにアップする...ということぐらいでした。

でも、それがとてもよかったのだと思います。パソコンの楽しさを再認識することができたし、「目的ありき」のパソコンの使い方がよくわかりました。それまでの私はパソコンが使えることが「目的」だったような気がします。パソコンはその先にある目的を実現するための「道具」に過ぎないのです。

それまでの私は、パソコンの使い方を説明する「ロボット」のようでしたが、この頃から少しずつ変わり始めたような気がします。


動き始めた【えびす】

2009年に入ってからは、「またパソコンの勉強をしたいな」と心から思えるようになりました。

でも、一人で勉強できることには限界があるし、やらなければならない状況下に置かれているわけではないので、途中で放り投げてしまうかもしれません。

「誰かのため」ではなく、「自分のため」にサークル活動を始めてみようと思い、私の勉強に付き合ってくれる人を探してみることにしました。ほどよいプレッシャーを与え合いながら、勉強できる環境を作りたいと考えました。

しかし、漠然としたイメージはできていたものの、具体的なアクションを起こすまでにはかなり時間がかかりました。

2009年の暮れ、5人ぐらい集まるといいな~と思って、ブログで呼びかけてみたり、関わってくれそうな人にメールを出してみました。

2010年2月に行った初回のミーティングには、10名集まり、翌月にはさらに2人...総勢12名のサポーターが集まりました。

そして、【えびす】が動き始めたのです。


【えびす】のコンセプト

予想以上に協力者が集まったけれど、さて、サークルを作るために何をしたらいいんだろう...業種、職種、パソコンのレベルも違うメンバーが集まって、足並み揃えて勉強ができるはずがありません。

毎週、決まった時間に集まるのはいいけれど、結局、何をやったのかわからない、何も得られないまま終わってしまうような集まりにならないように考え、5つのコンセプトを提案しました。

1.もちつもたれつ
知識や情報を提供し、吸収すること

2.共有・向上
自分の持っている知識を共有しながら、スキルアップを目指すこと

3.輪
講師⇒生徒ではなくて、輪であること

4.地域への貢献
パソコンを通じて、地域に貢献すること

5.人材育成・仕事斡旋
スキルの高い人材を育成し、仕事などを斡旋すること

今後、どんな風に展開していくかは未知数ですが、興味のあることにはどんどん挑戦していきたいと思います。

パソコンサークル【えびす】 代表 石橋美智子