海が熱を出している

Polar bear on ice floe. Melting iceberg and global warming. Climate change

 昨年の夏に襲った殺人的な暑さは、半端ではなかった。

私は、暑さにめっぽう弱い。なのに我が家には、エアコンがない。

寝付けない付けない夜は、眠るのをあきらめ、タブレットのユーチューブを見る。そうすると、余計に眠りが遠ざかるという悪循環を繰り返していた。

熱帯夜とは、最低気温が25度C以上の時をさす。酷暑は、北海道だけにとどまらなかった。全国的な傾向だった。

ついに、隣の滝川でも観測史上初めて猛暑日が二日連続を記録した。

例年にない猛暑で、滝川市内の学校では、小中高校が午前授業になった。

札幌でも、8月下旬に最高気温が36,3度Cとなり、観測史上最も高い気温を更新した。

娘が住む北見市では、熱中症の危険が極めて高いとして、エアコンがない小学校を臨時休校にするという異例の措置を取った。37.1度Cは、人間の平熱より高い。

また、東京では、最高気温35度C以上の猛暑日が、過去最多の22日間だった。

一昨年までの猛暑日の最多日数は、16日間なので、大幅な記録更新である。

高齢者は、室内でも熱中症で命を落とす。道内でも、伊達の小学生が熱中症で亡くなっている。昨年の全国の平均気温が、7月としては、100年余りで最も高くなったという。この空知だけでなく、日本全国どこでも、否、世界各地を襲う熱波は、素人目にも異常であった。

我が町の学校で、冷房設備はどうなっているのか、気になっていたところ、小中2校は、コロナの補助金を使い、すでに完備しているというので、まずはひと安心した。

酷暑の最中、町の公共施設で、会合があった。廊下は、冷房が効いていたので、研修室もエアコンがある筈と、思っていたのが、間違いだった。サウナ状態で、終わる刻には、全身汗だく、眩暈がした。

災害時の避難所に指定されている地域の自治会館や、町の公共施設にも、エアコンが必需品になってきた。

隣の市では、学校にエアコンがなく、設置するのに、億という資金が必要で、国の補助金がなければ、到底設置できず、あせっているという話を友人から聞いた。

空知管内小・中学校の全教室に、冷房が設置されているのは、10市町村。設置されてない自治体は、4割に上る。

いったいなぜ、今年の夏は暑かったのだろうか。

この暑さの原因は、かねてから指摘されているように、地球温暖化が進行しているからにほかならない。

理由として挙げられるのは、

一つ目、高気圧がいつもより北に偏っていたこと。もう一つは、北日本周辺の海水温が記録的に、高くなったこと。8月下旬は、北日本周辺で平年より5度Cより高いところがあった。

6月から8月、全国の平均気温が平年より1.76度C高く、気象庁が統計を取り始めた1898年から125年の間で、最も暑い夏になったという。これまで、最も気温が高かったのは、2010年で平年より1.08度C高かった。その時の記録を大きく更新している。このまま温暖化が進んでゆくと、最悪の場合、日本は、2100年頃には、熱帯化する。

夏の東京では、昼間に40を超えることが当たり前になり、夜もほとんど30℃を下回らなくなる、というのだ。(東洋経済オンライン)

9月は残暑が厳しい傾向があるとの予報どおり、暑く10月も気温が高かった。

米航空宇宙局(NASA)の専門家の話によると「2024年は、エルニーニョ現象の影響で更に気温が高くなるだろう」と予測している。それは、人間が温室用効果ガスを大気に放出し続けているからだ。私たちがそれをやめるまで、気温は上昇し続けるだろう」と、強調した。

「海が熱を出している。」と語るのは、NASA海洋生態学研究所のカルロス・デル・カスティーヨ所長はいう。「この海水温の問題は、海洋だけに留まる問題ではない。ほかのすべてに影響を及ぼす。」氏によると、海水温が上昇すればハリケーンの勢力が増し、氷河が解けて海面の上昇につながる。現在の温暖化スピードは、人類の絶滅を引き起こしかねないという。

国連のグテーレス事務総長は、地球沸騰の時代」と表現し、地球温暖化に対する危機感を強めている。

【海が熱を出し、地球が沸騰する。】

その言葉の重みを反芻しながら、今年は、どんな夏になるのだろうと、素人ながら、今から不安でならない。健康のために、エアコンは、必要不可欠なことも痛感した昨夏だった。

世界の9月の気温が史上最高を更新したと掲載されていた。

一人一人の心がけだけでは、限界があるのか。今年がどんな夏になるのか。それは誰にもわからない。

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