十手から五手へ

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ロクロの技術を磨くために今月から新しい先生に習い始めました。4回手ほどきを受けただけですが、驚くほど進歩しているような気がします。

いつもは土曜日に習うことにしているんですが、今週は先生の都合が悪くて、昨日行ってきたんですよ。先週の続きをしようと高さを出す練習を始めたんです。「650g」の粘土を使って、フリーカップを作ろうと思ったんですが、全くうまくいかなかったんです。腰が薄くなりすぎて、ボキッと折れてしまったり、いびつな形になってしまったり...

すると、見かねた先生が「小さめの湯呑みを挽いてみて」っていうんです。「湯呑みならできる!」と思って、いつものように挽いてみました。

なるべく手数を少なくしようと意識しているので、湯呑みなら「十手」ぐらいで作っています。

1.真ん中に穴をあけて

2.両親指を入れて、横に広げてタイヤを作って

3.持ち上げて

4.持ち上げて

5.持ち上げて

6.整えて

7.整えて

8.整えて

9.弓で口をカットして

10.皮で口をなめして、切り離す

調子のいいときは、1時間で20個ぐらい挽けるので、「みっちぃさんは、ロクロ早いねぇ~」なんて言われてたんですよ。

しかし、この挽き方では効率が悪いことを指摘されました。でもね、多少の違いはあるかもしれないけど、だいたいこんな感じで挽いている人が多いと思うんですよ。少なくとも私が知っている陶芸教室ではこの方法で教えてもらったらし、周りの人も同じだと思います。

実際に先生が同じぐらいのサイズのものを挽いてくれたんですけど、「三手」で完成するんです。ロクロの目も大胆についていて、これには大きな衝撃を受けました。

「えっ、意味わかんない...」 あまりにも早いので、どうやってるかわからないんです。

そういえば、陶芸市でプロの実演の時に見たことがありました。その時は、私と同じやり方で、ただ早くできているだけだと思ったんですよ。

でも、明らかに違うんです。右手と左手の動きがバラバラなんですよ。

私は負けず嫌いなので、やってみたいことができない時はものすごく燃えるんですよ。それから1時間、10kgの粘土を使って、ひたすら練習しました。結局、ひとつも形にはなりませんでしたが、ちょっとだけ感覚がつかめたような気がしたんですよ。

先生には、「今度会うときまでには、湯呑みガーッと作っておきます!」と豪語して、帰りの車の中でも、家に帰ってからもイメージトレーニングをしました。

そして、一日経った今日、イメトレの成果を発揮するために練習しにきました。先生は不在で、生徒は誰もいませんでした。

最初に準備した粘土は5kgです。これほどの量だと菊練りや土殺しはすごく力が要るんですが、いい運動になりますね。

手数は今までの半分の「五手」を意識しました。

1.両手でお皿を作って

2.持ち上げて

3.持ち上げて

4.整えて

5.皮で口をなめして、切り離す

昨日はまるで形にならなかったのに、ロクロの回転と持ち上げるタイミングが合うようになったんですよ。ほとんどロスなく、30分ほどで粘土がなくなりました。さらに、追加で5kg準備しました。

すると....どうでしょう。1時間弱で、40個挽くことができました。

まだリズムを掴む段階なので、大きさはバラバラだし、口が歪んでしまったものもありますが、今までと同じ時間で2倍の量を挽くことができたんですよ。すご~い!!

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調子に乗ってご飯茶碗も作ってみましたが、横から見ると高さが揃っていないのがよくわかりますね。この挽き方をきちんとマスターするまでには、まだ時間がかかると思いますが、これなら1時間で50個いけそうです。

もちろん早けりゃいいってもんではないですが、ロクロの場合は水をかなり使うので、手を掛ける回数が多くなればなるほど、コシがなくなりへたってきます。「限られた時間で、ベストなものを、最大限に」作っていけたらいいな~と思います。私の集中力はせいぜい3時間しか持ちませんから~。

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そのまま使えそうなものも何点かありましたが、まだまだ実用レベルには程遠いので、全部壊してしまいました。

それにしても、手数が半分に減るってすごいことですよ。私の中には色んな先生のノウハウが染み込んでいます。やや混乱気味ではありますが、いいところを上手に組み合わせて、自分流のスタイルを見つけていきたいと思います。

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