第22回 えべつやきもの市

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私は陶芸を始めて6年目に入りました。習い始めた時は、粘土の塊が作品として出来上がるまでのプロセスがとても好きで、焼き上がった作品には、さほど興味はなかったんです。

料理もまるで好きじゃないので、お料理に合う器を選んで盛り付けるような食生活とは無縁だったし、一人暮らしの頃なんて、欠けた茶碗と割り箸で生活していたぐらいです。

沢山のパソコン、山積みの参考書、大した着もしない洋服に囲まれた生活をしていました。

寝ない、食べない、外に出ない...今考えると20代の頃は酷く荒んだライフスタイルでした。

30代になったからか、陶芸を始めたからか、最近では少しずつ人間らしくなってきて、手作りのよさが少しずつわかってきたような気がします。教室に来ている他の生徒さんの作品を見て、それまで見たこともない色に刺激を受けることはありましたが、でも、私の陶芸に関する視野はとても狭かったと思います。

本当にいいものを目にして、手に取って、実際に使ってみなければ、本当にいいものを作ることはできないと思います。

プロの作品を見て、手に取ることができ、作家さんと直接話しができる機会というのは、何よりも自分のためになるものです。

そして、今年もやってきました...北海道最大級の焼き物イベント「えべつ やきもの市」です。ここ数年は、毎年見に来ていますが、北海道の陶芸やガラス作家の作品を見たいならば、ここに来るのが一番だと思います。

このイベントの日程は毎年決まっていて、7月の第2土曜日とその翌日の日曜日の2日間に渡って行われます。

車で行く場合は、「江別市役所付近」か「セラミックアートセンター」に車を停めます。会場までは少し距離があるので、連絡バスが出ています。

私が会場に着いたのは、午後2時でした。朝は雨が降っていたのに、日差しがかなり強くなっていて、ピーカンでした。

毎年、お気に入りの窯元の紹介や作家さんのことを書き綴ってきたこともあり、窯元の名前や作家さんの名前で検索すると、私のブログはかなり上位にヒットすることが多くなりました。

「みっちぃさ~ん、ブログ読んでま~す。」と作家さんの方から声を掛けられることもあり、何だか不思議な感じがしました。

ははは~、ますます変なこと書けなくなってきちゃったな~。

今回は、あまり時間がなかったので、お気に入りの作家さんや毎年の顔を出すところだけを回ってきました。

それじゃ、行ってみましょうか。

気に入った作品の写真を撮るときは、作家さんに許可をもらってから撮影しています。

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各ブースには、窯元(又は作家さん)の名前が書かれたプレートがあるので、それを最初に撮ってから、気に入った作品をマクロで撮り、その後ブース全体をワイドで撮るようにしています。別の作家さんの作品と間違ったら大変失礼ですからね。1つのブースで、だいたい4~5枚撮影します。

撮影を快諾してくれる方がほとんどですが、時々、撮影拒否されることもあるし、使用目的を聞かれることもあります。「買ってくれたら撮ってもいいよ」と言われることもありました。

快く思われない撮影をするのは、お互いにとってプラスにならないと思うので、去年あたりからは、「縁がなかったんだ」と思うようになり、そのまま退散するようになりました。

私がブログで陶芸市や窯元を紹介する理由は、主に次の3つです。

  1. 陶芸市やお気に入りの窯元を紹介するため
  2. 手作りの陶器やガラス製品の素晴らしさを伝えるため
  3. 気に入ったものを全部買うことはできないので、せめて写真に収めておきたいので

ブログもTwitterもやっていない作家さんも多いと思うし、インターネットで窯元を検索しても、なかなか情報が見つからないことが多々あります。

ならば私が少しだけでも紹介したい...そんな純粋な気持ちで書いているだけなので、嫌そうな顔をされると心が折れるんです。

幸せな空間にいるんだから、幸せな気分のままで、おうちに帰りたいんです。

さぁ、時間がありません。終了時間まで3時間しかないので、先を急ぎましょう。

毎年のことですが、午後2時からはプロの陶芸家による、ろくろ実演があります。実演する方は毎年違っていて、「今年は誰かな~?」と楽しみにしています。人によってロクロの挽き方も少しずつ違うし、使用するコテも違うので、参考になることがたくさんあります。

今年は、京極町の「綿スゲ陶房」の荒関氏です。湯呑み、小鉢、片口...と徐々に大きくなっていきますが、1時間も見ていたら時間がなくなるので、20分ほど見学して、外のブースを見に行くことにしました。

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私の師匠も出店しているので、覗きに行ってみました。店番を頼まれたので、来年の予行練習を兼ねて、店番をしてみまいた...テントの下は日陰になっているので、少し涼しいですね。

なんか、ほんのちょっとだけ、見える景色が違う気がします。今年は出店しなかったけど、「来年こそは私も店を出すぞ~!!」という気持ちになりますね。

ここで、さらに20分経過...まずい、もう時間が全然な~い!

以前、紹介したところがほとんどですが、お気に入りの窯元さんを見に行きます。

19.ケイト・ポムフレット:由仁町

以前、窯元巡りをした記事でも紹介していますが、私のベスト3に入るお気に入りの作家さんです。個性的な形と色で、すぐにケイトさんのものだと分かります。雪のない過ごしやすい時期は由仁町で作陶活動をして、冬場はバリに行って、日本から持ち込んだ生地でコースターを作ったり、洋服や雑貨を買い付けて帰ってくるようです。今年もカフェがオープンしているので、またこの世界に包まれに行きたいと思います。

作品によると思うのですが、「2011」などの「年」が彫られているので、いつ作られた作品なのかがわかるのもいいですね。

57.CERAMIC STUDIO GAKU :白老町

好みというのは、そうそう変わるものではないので、お気に入りの作家さんが増えることはあっても減ることはないんですよ。毎年のように写真を撮らせてもらっています。以前は「しらおい窯」の名前で出店されていましたが、吉田南岳氏のブースです。最初に作品を見たときに、作家さんは女性なのかな~という印象があったんですが、髭を生やしたダンディな雰囲気の方です。プロ意識がとても高くて、尊敬できます。撮影許可をもらったときには「いいと思ったものはどんどん吸収して」と言われました。

35.マーノ 杉田真紀 :中央区

私がマット系の白い器を好きになったのは、彼女の作品を見てからかもしれません。歳の頃は私と同じぐらいなんですが、毎年密かにチェックしている作家さんなんですよ。白、生成り、紺...とてもシンプルな色使いで、マット調の優しい印象が素敵です。シンプルな器は、どんな料理にも合いますね。気に入ったコーヒーカップで、うちカフェしたい気分になりますね。札幌にお店があるので、近いうちにぜひ行ってみたいと思っています。

131.glass cafe gla_gla :洞爺湖町

昨年、窯元巡りにも行ってきましたが、洞爺湖のgla_glaさんです。一本歯の下駄を履き、独特のヘアスタイル...我が道を貫くセンスは見習いたいものです。「あれ~、たしか、砂川だったよね~?砂川ってどこだっけ~??」と、ゆる~いトークをしましたが、透明度の高い作品達はいつも光り輝いています。今度こそ、ガラス体験しに行きたいと思っています。

140.アトリエHANA:江別市

2年前のやきもの市で、私の中でピカイチだったHANAさんです。ブースに立ち寄ると、すぐに私だとわかったようで、「みっちぃさんに見てもらいたい作品があったんですけど、昨日全部売れてしまったんです!」と残念そうに話してくれました。「ちび黒サンボ」をモチーフにしたマグカップのようですが、この造形のセンスと絵心があれば、どんな粘土でも見事な作品に仕上がると思います。造形教室やってほしいですねぇ~。怖くないお地蔵さんを作ってみたいものです。

163.nagomi*zu~なごみず~ :共和町

アマチュア出店していた頃から、チェックしている作家さんです。今年、新十津川陶芸まつりに初出店してくれたので、その時に長々とおしゃべりをして、いろんな情報を提供し合ったんです。私のブログもチェックしてくれているようで、特に師匠のロクロの早さには感動していました。コンピューター関係から、陶芸家へ転身されている経歴の持ち主です。仕事ぶりがとても丁寧で、一つ一つに手間を掛けているのがよくわかります。

181.正和窯:長万部町

陶芸用の窯には、一般的に使われる「電気窯」のほかに「ガス窯」や「灯油窯」があります。電気窯は温度が安定しているので、失敗も少ないのですが、無難なだけに電気窯では表現できない色もあります。土と化粧土がこんなにいい雰囲気に焼き上がっているカップ&ソーサーを見て、とても衝撃を受けました。たしか「灯油窯」を使っていたと思います。毎年、ブースに立ち寄り少しお話をします。今年は黒粘土をベースにした新作がありました。これまたいい雰囲気ですね。

206.極楽とんぼ :江別市

こちらも毎年立ち寄るブースです。絵と書がとても素敵な女性の作家さんです。一つずつメッセージが違う風鈴を買おうかどうか迷いましたが、結局買えず...マグカップは何年か前に買いましたが、一つずつ形が違ってとても可愛いんです。絵心を少し分けてもらいたいですね。

212.アトリエO・N・O:南区

フライヤーには「南区」と書かれていますが、実は愛知から船旅で遠征に来ています。モデル経験もある美形の作家さんで、今年は美しさにより一層磨きがかかっていましたが、とてもアートな作品を作っています。写真左下の作品は顔がデザインされていますが、表と裏は男と女の顔になっているそうです。毎年顔を出しているので、すっかりお馴染みになっているんですが、やきもの市が終わったら、函館観光して帰るそうです。「また、らいね~ん♪」と握手をしてお別れです。

230.陶房ハルノヒ:北区

ご夫婦でテイストの違う作品を出品されていて、去年見つけてからとても気になっている作家さんです。あまり配っていないようですが、名刺をいただきました。フライヤーには「北区」と書いてありますが、実は笠間から遠征に来ているそうです。笠間は震災の影響も大きい土地だったと思いますが、よくぞここまで来てくれました。ご主人の作品の雰囲気がとても好きで、プロブースとは思えない購入しやすい価格なんです。カップ&ソーサーについては、「お皿とセットでこの値段ですか?」と確認したぐらいです。お土産用にたくさん買ったら、オマケしてくれました。

結局、終了時間の5時ギリギリまで会場にいたものの、紹介したブース以外は全く見ることができませんでした。
プロの作品を見て、レベルの違を感じながらも、決して遠くないその世界を夢見て、日々努力を積むしかないんだろう。

出店している全てのアーティストに感謝と尊敬の意を表したい。

 

また、来年。今度は、自分の店が出せますように。

コメント

  1. より:

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    PASS:
    えべつやきもの市~楽しそうです♪
    お友達のONOさんから、聞いてたので、いつか行ってみたい☆。,:・゚
    取材記事?ありがとうございました~
    来年の出店を楽しみにしています!

  2. みっちぃ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >睦さん
    ONOさんのお知り合いでしたか~。
    彼は独特の世界を持っていますね。美しいところも気に入っています。
    今年はほとんど回れなかったんですが、プロの作品に触れられる貴重な機会なので、ちょっとだけでも見に行けてよかったです。
    来年こそは...がんばります。

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