その年によって流行る山というのがあるんですけど、今年は世界遺産に登録された「富士山」だと思いますが、北海道で流行っている山といえば、後にも先にも今年しかないのが標高年の「ニペソツ山」だと思います。標高と西暦が同じ「2013」なんですね。私にはレベルが高いので、無理だろうな~と思って、諦めかけていたんですよ。でも、この前、ハードな山ボーイの渡辺洋一郎さんの写真展を見に行った時に、ちょうど本人とお話することができて、登りたい山の話をしたら、「標高年は一度しかないからやっぱりニペソツかな~」と背中を押してくれました。
日本百名山を執筆した深田久弥氏が、執筆後にニペソツに登ったそうで、後に出版された本に「日本百名山を出した時、私はまだこの山を見ていなかった。ニペソツには申し訳なかったが、その中に入れなかった。実に立派な山であることを、登ってみて初めて知った。」と記しているそうです。そのため「幻の百名山」と呼ばれています。百名山として選定されている山は全国から沢山の人が訪れるので、登山道はかなり整備されているし、観光資源となり、地元も潤うと思いますが、観光化が進みすぎると、自然本来の姿ではなくなってしまいます。山にとってはそれがいいかどうかはわかりません。
いつもはそれほど人が多くない山で、駐車スペースもほとんどないという話だったので、早い時間に入山しようと思っていたのに、移動に時間がかかってしまったので、想像以上の混雑で、駐車スペースもなかったので、かなり下の方に停めることになりました。登り始めたのが7時と遅くなってしまいました。「登り返しがきつい」という噂を聞いていましたが、本当にきつかったです。前天狗まではまだ良かったんですけど、その先はだんだん風が強くなり、山頂付近はまっすぐ立っていられないほどの強風でした。強いところは風速15mはあったと思います。幸い、雨が降らなかったので良かったんですけど、これで雨が降ったら完全な「嵐」です。
登り返しが2回あったんですが、登り返しが2回ということは、3つの山を登ることになるんですよね。つーことは、下山も同じぐらいきついということなので、登りの時間も下りの時間もさほど変わらないんです。3連休の初日しか日程が合わなかったんですが、この翌日はピーカンで登山者は100組以上はいたようです。恐るべし標高年!(画像をクリックするとヤマレコにリンクします)
山は天気と季節によって大きく感じ方が違ってきますが、今回が一番ハードだったと思います。山を一つ越えた後で、ずっと遠くに目標のお山が見えるんですから。何度も心が折れそうになりましたが、止まらずに歩き続ければ必ず辿り着くんです。それだけを自分に言い聞かせながら、とにかく前に進んでいきました。
「何でこんなつらい思いしてまで登らなきゃいけないんだ」と、本当に何度も思いました。山頂までは何とか登ったけど、強風で天気もイマイチだったので、何だか敗退した気分でした。そういう時こそ、また来年もっと体力をつけて、天気のいい日に登ろうと思えますね。負けず嫌いだな~。