登山ルートとベストシーズン

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2016年12月30日(金)~2017年1月12日(木)まで、旅に出ていました。ブログは2月に入ってから書いていますが、1月中の日付で更新していきます。

キリマンジャロ登山ルート

どこの山に登る時もルートはいくつかあると思いますが、キリマンジャロの場合、どのルートを使っても4泊以上の日数をかけ、往復50km以上ある道のりを歩いていきます。下山後にルートマップを買いましたが、情報が多くて分かり難かったので、地図を描いてみました。読み方が間違っている部分もあるかもしれませんが、日本語にしています。(クリックで拡大)

一般的に言われている登山ルートは6つ(マラング、マチャメ、ロンガイ、レモショ、シラ、ウンブェ)あるようですが、マラングルート(緑)マチャメルート(赤)を利用する人が全体の90%以上だと思います。他のルートを使っても途中で合流していくので、山頂へアタックする日はこの2本のルートを使うことになります。

全日程小屋泊のマラングルート

別名コカ・コーラルートと呼ばれていますが、4泊5日の全日程小屋泊で最も利用者が多いルートです。日本発着のパッケージツアーでもこのルートを使うものが最も多いと思います。山小屋でコカ・コーラが売っているわけではないのですが、スカッと爽やかなイメージなのかもしれません。

山小屋の利用料金はテント泊よりも高くなりますが、テントを背負うポーターも減るし、日数も他のルートよりも少ないので、入山料やチップを合わせた総費用は最も安くなります。高度順応日を設けて5泊6日にする人も多いようです。同じルートで下山するので、上りと下りの景色が同じになります。山頂目指して長距離ピストンする感じかな。

テント泊一番人気のマチャメルート

今回私が使ったルートで、別名ウイスキールートと呼ばれています。酔っ払いのようにふらふら歩くイメージなのかもしれません。5泊6日の全日程テント泊で、下りはムウェカルートを使います。上りと下りのルートが違うので、景色が一番良いと言われています。

私は小屋泊が苦手だし、違うルートを歩きたいタイプなので、最初からこのルートを希望していました。高度順応のため、6泊7日にしている人も多いように感じました。テントを担ぐポーターも増えるし、日数も多いので、コストはマラングルートよりも少し高くなります。アップダウンを繰り返しながら歩くので、登頂率はマラングルートよりも高く、実際に90%ぐらいは登頂していたように思います。

初めてのキリマンジャロだったので、今回使ったルートで後悔はないし、素晴らしいクルーに恵まれて、とても楽しかったです。しかし、衣食住を担いで歩かなければならない北海道の山とは大きく異なり、あまりに過保護過ぎました。ガイド、コック、ポーターが付くという至れり尽くせりの内容は、普段感じている登山の醍醐味が半減したように思えました。

その他のルート

ケニア側から登るロンガイルートあたりはマニアックでツウな選択かもしれません。ウンブェルートは急登でかなりレベルが高く、登頂率は低いようですが、歩く距離は短いようなので、3泊4日も可能かもしれません。この他にも上級者向けのルートやマウエンジ峰へのテクニカルクライミングなどの特殊なルートもあるようです。

キリマンジャロの大名登山スタイルは現地の労働問題を解消するためなのかもしれませんが、ツアー会社と交渉して、コックやポーターの数を減らし、自炊しながら登る人もいるようです。

今のところ、もう一度行く予定はありませんが、もし次に行く機会があれば、コックは付けず、ポーターを減らし、できることは自分でやりながら、人が少ない静かなルートを歩いてみたいと思いました。どしゃぶりの中で景色は楽しめないので、朝早い時間に出発し、雨が降る前に次のキャンプサイトに着きたいです。

ポーターの労働問題について、強く感じたことがありますが、それはまた別の記事にしたいと思います。

ベストシーズンはいつ?

どこの山でも同じですが、天気の良い日に登りたいと思うのが心情でしょう。それは近所の山でも海外の山でも同じです。北海道の山は高い所でも標高2,000mほどですが、天気が崩れれば夏でも気温はマイナスになります。天候の悪化により行動不能になる気象遭難は最も多く、低体温症で亡くなる人も沢山います。

タンザニアは雨季が2回あり、3月から5月にかけて大雨季、11月から1月にかけては小雨季になります。雨季といっても一日中雨が降り続くわけではなく、一日の中で周期があります。

近所の山なら、3日前から天気予報をチェックしていれば、大きく外れることはありませんが、あらかじめ予定を決めている海外登山の場合は、そう簡単にはいきません。キリマンジャロの場合、ほぼ赤道直下に位置しているので、一年を通じて登ることができます。中でも、比較的天候が安定してしている、小雨季の終わる1月~2月乾季の7月~9月がベストシーズンと言われています。

私は1月1日から5泊6日の日程で登りました。年末年始の休暇に絡めて長期休暇をもらったので、どうしてもこの時期になってしまいますが、ガイドはベストシーズンはもう少し先だと言っていました。

実際、標高の低い場所では毎日午後から雨が降り、夕方~夜は晴れ、朝は快晴でした。特に初日は雷雨に見舞われ、全身ずぶ濡れになりました。比較的安定している時期でも、こればかりは行ってみないと分かりません。

山の気温

一般的に標高が100m上がると、気温は0.6℃下がると言われています。

マチャメゲートの標高は1,800mあり、出発時点の気温は20℃ほどでした。

キリマンジャロ山頂は5,895mなので、ざっくり計算して25℃下がることになります。私はこの計算で、山頂の気温はマイナス5℃~マイナス10℃ほどだと思っていました。きっと無風ならばそのぐらいだと思います。

しかし、風が加われば話は別で、風速1mで体感温度は1℃下がると言われています。

最終キャンプ地のバラフキャンプ(4,670m)では、夜中はテントが飛ぶんじゃないかというぐらいの強風でした。このまま山頂アタックをせずに撤退するかあるいは延泊になるのかもしれないと考えていましたが、テントの外を見るとすでに多くのパーティがアタックを開始していました。

「こんな天気でも行くの?」とガイドに確認しましたが、雨や雪が降っていたわけではなかったので、この程度では、撤退とか停滞という文字はないのだと思いました。時折、真っ直ぐ立っていられないほどの風が吹き、少しも止むことはなかったです。ガイドもこんなにひどい天気は滅多にないと驚いていました。

全天候に対応できる装備を

キリマンジャロ登山はタンザニアの重要な観光資源です。多少の天候不良でツアー会社側からキャンセルすることはないでしょう。標高が低い場所では、乾季でも雨が降るのが当たり前のようです。長時間雨に打たれることを覚悟したレインウェアは必須です。やはり上下セパレートになっているゴアテックス素材のものがいいと思います。

装備に関しては、また別の記事で書こうと思っていますが、私は北海道の豪雪地域に住んでいるので、寒さには強い方だと思います。冬は平地でもマイナス10℃は当たり前だし、歩き続けている時は少し寒いぐらいがちょうどいいので、バックカントリーでハイクアップするときはアウターは着ないタイプです。寒暖に対しての耐性は、住んでいる環境によって大きく違いますね。

どんな天気でも対応できるように、北海道の夏山~厳冬期までを想定した装備があるといいと思いました。ポーターに持ってもらう荷物が増えるから遠慮したものもありましたが、アウターが1枚増えてもそれほど重さは変わらないでしょう。ここは大名登山に甘えるべきだったと思いました。

登山装備はレンタルすることもできますが、粗悪品を借りて大変な目に遭った人もいるようなので、良いものをしっかり選びたいところです。

関連レコ

すでにヤマレコでは、準備から帰国までの記録をアップ済みです。写真枚数が多くて、1枚ずつコメントを入れているのでとても長いですが、時系列で載せているので、行った気分になるかもしれません。

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