10月19日(月)曇り
秋晴れの週末は久々に制作に集中しました。自分のアトリエを持っていて良かったと思う時は年に数回なのですが、今がその時です。朝も昼も夜も関係なく、ただひたすらに粘土と向き合う時間。
同じ工程でも粘土の乾燥具合に左右されるので、天気がよく、程よく風があると作業がはかどるのです。
去年の秋は私のアトリエでイベントをしましたが、個人で主催したものでした。
長くお世話になった屯田窯の清水先生と「ロクロ対決」をしましたが、その中で先生に「ピークの時は一日何個ぐらい挽きましたか?」と質問をしました。
返ってきた答えは「400個」でした。
ロクロが上手な先生は沢山いますが、清水先生は「手を掛ける回数が少なくて、とにかく速い」のです。
私が時々やるロクロチャレンジでは「100個」が目標ですが、倍の200個にしてもいいかもしれません。
10分で粘土を準備し、40分で30個挽き、10分休憩。
このローテーションなら1時間休憩しても7時間で終わる。
40分で30個、
つまり、1個あたり80秒。
必要かどうかは別として、湯呑みサイズならば、できない数字ではないのです。
実際のところ、200個挽いて終わりならば楽ですが、その先には削りがあり、乾燥、素焼き、絵付け、釉掛け、本焼きと、いくつもの工程が待っています。
完成まで早くても1ヶ月。
形をつくる時間よりも、完成を待つ時間のほうが、ずっと長いのです。
速さとは、単に手を急がせることではなく、無駄をなくすことでもあります。
窯元になる前は、あちこちの窯で焼いてもらいました。
私の作品は他の人よりずっと多かったので、窯を共有して使うサークルでは嫌がられました。みんなお金を出し合っているので、同じぐらいの数は焼いてもらいたいですよね。
だんだん肩身が狭くなり、次に貸工房やレンタル窯を探し始めました。
札幌には何ヶ所かありましたが、窯詰め~窯出しまでのルールもあり、数日間は仕事を休まなければいけません。遠方だと作品を運ぶ時間もかかり、破損のリスクも増える。
次から次へと吹きつける逆風に、勢いよく燃えていた情熱の炎も小さくなっていきました。
そもそも私は、何がやりたかったのだろう?
続けるか、辞めるか?
そんな二択でした。
遠回りと道迷いを繰り返し、ようやく自分の窯を持つ覚悟ができたのです。

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