10月24日(土)曇り
脳は、いくつになっても成長できる
ナショナルジオグラフィックの記事を読んで、興味深い研究に出会いました。
それは「楽器を習うことが、加齢による脳の衰えを緩やかにする可能性がある」というものです。
私たちの脳は、年齢を重ねるにつれて少しずつ萎縮していきます。
一般的に、40歳を過ぎると脳の体積は10年間で約5%減少するといわれています。
ところが、近年の研究によって、その変化に働きかける方法の一つとして、楽器の演奏が注目されています。
2023年に発表された研究では、健康な高齢者132人を対象に、6か月間の音楽学習を実施しました。
ピアノを練習するグループと、音楽鑑賞などを通じて学ぶグループに分け、MRIで脳の変化を調べたのです。
その結果、音楽学習によって脳の一部の灰白質が増加し、聴覚に関する記憶機能にも改善が見られました。
さらに、ピアノを練習したグループでは、音を処理する脳の領域の体積が維持されていました。
「高齢になってから新しいことを学ぶことで、脳には変化する力が残されている」ということを示す、とても興味深い結果です。
そして、2025年には、さらに希望を感じさせる研究が発表されました。
京都大学などの研究者が、高齢になってから楽器を習い始めた人たちを約4年間追跡したのです。
調査に参加した32人のうち、楽器の練習を続けた13人は、やめた19人に比べて、言葉を一時的に覚えて使う「ワーキングメモリ」という能力や、脳の一部の体積が比較的維持されていました。
まだ少人数の研究であり、楽器の練習だけがその違いを生んだとは断定できません。
しかし、ここには大きな可能性があります。
「何歳から始めたかよりも、何歳になっても学び続けようとすること」
それが、私たちの脳にとって大切なのかもしれません。
楽器を演奏するという行為は、実に複雑です。
楽譜を目で追い、音を耳で聴き、指を動かし、リズムを刻み、次に出す音を考える。
合奏であれば、さらに仲間の音に耳を傾け、自分の演奏を合わせていきます。
一見、楽しそうに音楽を奏でているだけの時間にも、脳はさまざまな働きをしているのです。
私たちのキタソラ音楽隊も、決して上手に演奏することだけを目標にしているわけではありません。
仲間と音を重ねる喜び。
昨日まで弾けなかった一小節が、今日は弾けるようになる喜び。
そして、みんなで一つの曲を完成させていく喜び。
そこには、音楽そのものの楽しさだけでなく、年齢を重ねても新しいことに挑戦できる素晴らしさがあります。
脳の老化を完全に止めることはできません。
けれど、年齢を理由に学ぶことをやめる必要もないのです。
60歳でも、70歳でも、80歳でも新しい楽器を手に取ることはできます。
最初は思うように指が動かなくてもいい。
楽譜が読めなくてもいい。
誰かと比べて上手である必要もありません。
昨日の自分にはできなかったことが、今日、ほんの少しできるようになる。
その小さな積み重ねが、人生を豊かにしてくれるのだと思います。
老いることは避けられなくても、学ぶことを諦める必要はありません。
人生の後半にこそ、まだ出会っていない音色があり、まだ知らない喜びがある。
そう考えると、歳を重ねることも、少し楽しみになってきませんか。
指導をしていただいている古館先生には、報酬を一円もお支払いしていません。^^;
みんなでオカリナを買って、習って、広めていきたいと思っています。

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