ドキドキワクワクの窯出し

本焼き後の窯出しというと、最短でも2日後なのかな~と思っていたんですけど、予想よりも早く窯の温度が下がってきたので、焼成翌日の窯出しとなりました。朝10時に460度ぐらいまで下がっていたようなので、夜に窯出しすることにしました。

予想通りの色が出たもの、予想以上だったもの、玉砕したもの・・・と色々ありましたが、窯詰め・焼成・窯出しまでの一連の流れを行い、とてもいい経験ができました。

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窯の温度は50度ほどまで下がっていたので、皮手をしなくてもいいぐらいになっていました。窯の温度は上の方が高く、下の方が低いので、同じ粘土・同じ釉薬でも色合いが違ってきます。

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先ずは一段目です。去年、灯油窯の下段に置いて釉薬が溶けきらなかったキャンドルポットたち、電気窯で焼いたイマイチだったお皿、そして奥の方に新作のビアマグを入れてあります。

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全部、テーブルに出して並べて写真を撮ります。キャンドルポットは去年のままでも良かったのかな~というのもありました。粘土の色が全面に出てきて、かなり濃い感じになりました。

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ビアマグがいい感じの色になっていました。釉薬は「白鳳マット」と「チタンマット」の2種類だけですが、窯内の位置が違うだけで、印象が違っていたので、きちんと記録しておきます。

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棚板を外して、二段目の写真を撮ります。こうやって自分で窯出しするのも初めてなんです。これまでは窯出し済みの器たちを引き上げるだけだったので、これまた新鮮です。二段目には高温で焼成したい風鈴と焼き直しのカップなどです。

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風鈴はいい音が鳴ります。本焼き済みのものにさらに呉須で絵付けをして焼いてみました。フラクマのキャラクターを描こうと思ったんですけど、全然描けませんでした。(笑)

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熱線でスポンジを溶かしたものがあったので、ペタペタとやってみましたが、これがいい感じになりました。すでに本焼きが済んでいるものには釉薬を掛けていませんが、素焼きのみのものには透明の釉薬を掛けておきました。

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フラクマに見えない・・・(笑)

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そして、三段目。優しいアイボリーを目指したエリアです。

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素焼きで、ひびが入ったカップやソーサーも色見本を兼ねて入れています。チタンマットを掛けたものは、窯変がかかって薄紫色になりました。

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このエリアは、イメージ通りの優しいアイボリーになりましたが、温度に耐えられなかったのか、ひびが入ったり、歪みが出たソーサーもあり、半分ぐらいはボツになりそうです。予想通りの仕上がりになりましたが、焼成温度については今後の課題となりそうです。スープカップも可愛いですが、かなり小さくなった感じがします。電気窯でこの雰囲気が出せるといいんだけど。

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四段目は、残念なエリアです。3点に足をつけた小皿が歪みました。一般的な丸い高台ならば問題なかったのかもしれませんが、鉄分の多い赤粘土は、高温に耐えられなかったのかもしれません。

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もっと白くなると思っていましたが、ねらし時間を長くしたので、粘土本来の色が表に出てきたのでしょう。全体的に「こげ茶」という感じです。

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五段目は色んな粘土、色んな釉薬が混ざったものです。

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このビアマグもいい感じでした。一段目に置いたものと同じ粘土と釉薬を使っていますが、色の出方がずいぶん違っています。

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六段目は、残念なエリアです。「き、きたない・・・」と思わず呟いてしまいました。

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釉薬の掛け方でこんなにも変わるとは思ってもみませんでした。チタンマットの方が流れやすいので、先に白鳳マットを掛けて、チタンマットを掛けた方が釉薬が流れて面白くなったかもしれません。

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そして、最後の七段目です。こちらは赤粘土&チタンマットのエリアです。温度の低い下段だったので、お皿の歪みは少なかったです。

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電気窯で焼いた時とは全く違った雰囲気になりました。金色に輝いています。う~ん、どうかな。

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これから高台や底についた釉薬を処理して、水漏れテストして、煮沸します。

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窯出し終了。ご主人と奥様には今回もとてもお世話になりました。この貴重な経験を今後に繋げていきたいと思います。

ちょうど旭川の「千尋窯」さんが見えていて、色んなお話を聞くことができました。今度、ギャラリー見学に行きたいと思います。窯出ししたてのビアマグにノンアルコールビールを注いでみました。プロの方々に囲まれ「窯出し、おめでとうございます」と乾杯をしたときには、ちょっと照れました。きめ細かい泡が立ち、釉薬の流れが泡の流れに似た雰囲気があり、いい感じでした。マグの重さが気になるかなと思っていましたが、そうでもなかったです。

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これが窯出し。いつになっても、何度やっても、ドキドキワクワク。

とてもいい夜でした。