釧路湿原

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12月17日(水)雪

日曜日の道東方面の荒天の影響で、まだ停電が続いているエリアがあるようです。道東は年間に降る雪の量は少ないものの、冷え込みが厳しいので、この時期の停電は大変だと思います。

挨拶回りをしながら、観光スポットを効率よく回る循環トリップでは、紹介したいスポットやお店が山ほどあります。

私が道東方面に通うようになったのは2019年に中標津のロングトレイル「北根室ランチウェイ」を歩いたことがきっかけでした。

71.4kmの道のりを2泊3日かけて歩きましたが、酪農家の敷地を歩くという、世界的に見ても珍しいもので、この道を作った佐伯さんのことが大好きになりました。

この年だけで4回も通い、翌年はコロナ禍真っ只中でしたが、釧路、根室、知床などをこっそり訪れました。

コロナの自粛ムードで、営業できなくなった飲食店や宿泊施設は多く、日帰りしたこともありました。

当時と今では仕事が変わっている人もいると思いますが、あの時、踏ん張ってきた人は、今、逞しくなっていると思います。

2日目は釧路湿原周辺を散策してきましたが、雄大な景色に圧倒されました。しかも、無風だったのです。

地平線の彼方まで、ただ静かに続くヨシの原野。

その間を縫うように、釧路川は急ぐこともなく、ゆったりと蛇行しています。

日本でいちばん大きな湿原。

そして、多くの小さな命を、長い時間をかけて育んできた場所です。

けれど、この豊かさは、決して強いものではありません。
湿原の生態系は、とても繊細です。

名もなき先人たちが手を尽くし、未来へ繋いできた歴史があります。

そして今もまた、乾燥化や環境の変化という、目に見えにくい課題と向き合い続けています。

私たちにできることは、決して特別なことではありません。
この美しさを知ること。

自然に対して、畏れと敬意をもって接すること。

そして、この場所の大切さを、そっと誰かに伝えていくことです。

湿原を渡る風の音が、水面にきらめく光が、これからも変わらず、そこに在り続けますように。

その「関心」こそが、自然を守る確かな力になるのです。

この静けさを「空いている土地」と呼び、命の循環を「効率の悪さ」と切り捨て、目先の利益のために大地を覆い尽くすのなら、取り返しのつかないものを壊した理由すら忘れ、守るべき未来そのものを失うでしょう。

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