2020年10月8日、15年間続いたロングトレイル「北根室ランチウェイ(KIRAWAY)」の全面閉鎖がアナウンスされました。
KIRAWAYは北海道の東に位置する中標津町(中標津町交通センター)~弟子屈町(美留和駅)を繋いだ71.4kmのロングトレイルです。
私がこのトレイルの存在を知ったのは数年前でしたが、実際に歩いたのは2019年のゴールデンウィークでした。大型連休を全て使い、KIRAWAYを往復したことがきっかけで、このトレイルが大好きになりました。その後、何度も訪問し、トレイルの中間地点にある佐伯農場さんで度々お世話になりました。
ロングトレイルは山頂を目指す登山とは違い、大きな達成感や派手さはありませんが、登山のようなしっかりとした装備を揃えなくても周辺の宿泊施設を組み合わせながら、体力や目的に合わせた行程を組むことができます。徒歩という最も遅い移動手段で、自然を感じ、地域の文化を知り、地元の特産品を食べながら、人との出会いや優しさに触れることができる素晴らしいアクティビティだと思います。
このトレイルは、6つのステージに区切られており、一部のステージについては「LANCH=牧場の中を歩く」という、世界的にも珍しいトレイルだったと思います。
トレイルの存続問題については、予てより噂されていました。地元の地権者や自治体と度重なる交渉が行われていたと思いますが、存続の願いは叶わなかったようです。
すでに標識が撤去されたり、チェーンが掛けられて立ち入りできなくなったステージもありますが、既設の登山道(西別岳・摩周岳)や新しく開通した摩周屈斜路トレイルと重複する部分については、今後も歩くことができます。
新しいことを始めることは大変ですが、それを続けることはもっと大変です。
そして、終わることはもっともっと大変だと思います。
トレイルの立ち上げ~維持管理をしてくれた方々、敷地を提供してくれた地権者の方々、関係各所の方々へ感謝の気持ちを伝えるため、そして何より自分の気持ちの整理のために、まだ歩けるルートを巡り、これまでに撮り溜めた映像を繋げました。
本当に素晴らしいトレイルをありがとうございました。
コメント