冬の課題は土鍋作り

10月16日(水)曇り

平日の日課にしている777段のズリ山も落葉の季節になりました。秋は甘いメープルの香りがするので、カエデの木から樹液が取れるかもしれません。どれがカエデなのか分かりませんが。

今月に入ってから本腰を入れ、朝は1時間、夜は2時間ほど制作をしています。ほとんど進まない日もありますが、時間制限がなく自由に制作ができる環境がこれほど快適とは思いませんでした。

自分で窯を持ったら満足してやらなくなるんじゃないかと思っていましたが、私がこれまでほとんどしてこなかった「焼成」について、とことん研究できるのですから、楽しみで仕方ありません。

2008年の話ですが、蓋モノを作る技術を習得したくて、土鍋を作ったことがありました。当時は美唄の職業訓練校で指導員として働いていたので、仕事が終わってから、近くの体験交流館で制作をしていました。登山を始める前なので、毎日陶芸三昧でした。

こちらには登り窯があり、年に一度、大量の薪を使った焼成を行います。ここで土鍋を焼いてもらうことにして、窯焚きのお手伝いもしたのですが、3日間、窯を焚き続けるという貴重な経験をさせてもらいました。

土鍋やグラタン皿などは、直火に耐えられる耐火用の専用粘土を使います。釉薬も専用のものがありますが、登り窯の場合は、天然の灰が釉薬になるので、素焼きが終ったものをそのまま焼いてもらいました。

しかし、土鍋は一般的な温度よりも低い温度で焼くようです。

共同で使う窯では自分の希望の温度で焼くことはできませんから、ほとんど割れてしまったと思います。

焼成温度だけが原因ではないと思いますが、ことごとく失敗しました。それからずっと作っていなかったのですが、粘土と釉薬はまだ残っているのです。10年以上放置していた粘土はカチコチになりますが、粉々にして水に浸ければ再生します。

自分の窯ならば、好きな温度で焼けるのです。土鍋作りは冬の課題にしたいと思います。

昔の写真を見返すと、当時の情熱は凄まじいものがありました。まだSNSなどなかったし、陶芸の情報を発信する人も少なかったので、私がやっていたブログを見てくれる陶芸家の方も多かったです。

あれから15年、私には色々な引き出しが増えました。半開きの引き出しばかりですが、他の人には真似できない「私らしい」引き出しだと思います。

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