12月24日(水)曇り
金曜日の本焼きは、思うように温度が上がらず大苦戦しました。長くても12時間で終わる予定が、18時間ほどかかりました。900℃付近から全然温度が上がっていかないのです。
実は前回も同じだったので、今回試してみて、ダメなら陶人社にヘルプを依頼しようと思っていました。
今年に入ってから本焼きは何度も行っていて、かなり調子が良かったのです。
去年は何かある度に近くにいる白戸先生に見に来てもらったのですが、本気で独り立ちしないといけないと思って、今年はうまく焚けるようになっていたので、もう大丈夫と思っていました。
私の窯は灯油窯です。電気窯のようなマイコン制御ではないので、灯油と酸素の量を自分で調整して、温度が上がるようにしていくのですが、その作業が果てしなく長かったです。
自分の作品だけなら途中で中断していたでしょう。
しかし、今回は勤労感謝祭で絵付け体験をしてもらった作品が沢山入っているのです。
焼き上がりを楽しみにしている人がいるので、何としても焼き上げたい…その想いだけでした。
なんとか1,230℃を20分ほどキープして、終了しました。
終了時間が遅くなったので、窯出しも少しズレてしまいましたが、下段の方も作品は焼き上がっていましたので、胸を撫でおろしました。
そして、焼き上がった作品は素晴らしかった。同じ形のお皿でも、夫々の想いが描かれることで、唯一無二になります。
陶芸体験で使用した粘土は、すべて「工房きいちご」から譲り受けたものですが、今まで私が扱ったことのない500kgのカチカチの粘土を見て途方に暮れました。
カチカチでも未開封の新品ならば引き取り手はいます。しかし、使用済みの正体不明の粘土は誰も欲しがらないのです。
あれを私の力だけで再生することは不可能でしたが、困った時には助けてくれる人もいるもので、粘土を練り直すための「土練機」を譲り受けられたのです。
種類も色も分からなかったので、全部ごちゃ混ぜにして、土練機に何度も通しました。
それからやっと私が扱える作業になりました。石膏型も化粧土もきいちごさんからです。
処分寸前だった材料がこうして、気持ちが込められた作品に変わり、皆さんのお手元に届けることができました。
こうして振り返ってみて、素晴らしい取り組みだったと思えるようになりました。

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