譲り受けたモノに新しい命を

5月28日(水)晴れ

日曜日のイベントが終わってから、空のりんご箱に入りそうなものを引き取るために、廃業される窯元に立ち寄りました。

オーナーは女性で、30年ほど前に開窯し、主に陶芸教室をされていたようです。6人ほどが同時に作業できる設備が整っていますが、広さに関しては私のアトリエと同じぐらいあるでしょう。

どれほどの情熱を注ぎこんできたのかが容易に想像できる規模で、片手間にやっている私が引き継ぐのが恐れ多い気もします。

前回の訪問時は棚を解体するのに必死で、お話ができなかったのですが、今回は大量の石膏型を一つ一つチラシに包みながら、色々な話ができました。私が女性というのもあり、話しやすかったと思います。

当時は陶芸ブームもありましたが、女性が主宰の陶芸教室は決して多くなかったと思いますが、やきもの市などのイベントにも最近まで出展されていたそうです。

何事もそうですが、始めるよりも辞める方がずっと大変です。加齢に伴い、体力的にも厳しくなっていくでしょう。

次回、引き上げるものを確認し、釉薬の原料になるワラ灰、釉薬を数点、石膏型など、車の隙間に詰めて、アトリエに戻りました。

私のアトリエでは去年から度々奇跡が起こっていますが、イベントから戻ると一気に改修が進んでいることがあります。

ドアを開けるとそこにはピカピカのカウンターテーブルと椅子が鎮座していました。

去年の秋、解体したウッドデッキを譲り受け、電動ロクロの作業場に一部使っていましたが、残っていた大きめの木材でカウンター構想を膨らませ、少しずつ準備をしていました。

私のざっくり&ぼんやりしたイメージが設計図に落とし込まれて形になっていくのです。

なんですか、このチームワークは!

しかし「廃材+DIY=安い」というのは間違いで、廃材を綺麗に整えて使えるようにするために多くの時間がかかります。労力と人件費を考えると、新品の材料を揃えた方が安上がりでしょう。

譲り受けたモノに新しい命を注ぎたいという私の思いを与して、貴重な時間を割いて、作ってくれる友がいるのです。

しかも、それが想像の遥かに上を行く仕上がりなのです。寝不足続きでかなり疲労が溜まっていましたが、目が覚めました。

丁寧にヤスリを掛けられた天板をナデナデして、テーブルとイスの高さと幅を確認しましたが、作業にも休憩にも良いサイズです。

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