7月3日(水)晴れ
山が良い時期になってきたので、今日は登山装備の話を少し。
今年は3日しか山に行ってませんが、多い年で40日ほど登ります。
「UL」=「ウルトラライト」とは、ここ数年で一気に広まってきた軽量化のことです。
私は2011年に小屋泊を経験し、2013年からテント泊をするようになりました。
北海道の山では3泊4日までの経験があり、一番重い時で「25kg」の装備を担いでいました。
当時は「こんなに重い荷物担げる私ってカッコいいじゃん!」ぐらい思っていたかもしれません。
経験を積むと重い荷物も背負えるようになってきますが、快適で安全に歩けるかといえば、答えは「ノー」です。
汗もかくし、体力も消耗するので、より多くのカロリーが必要になり、水も食糧も増えます。
急斜面や足場の悪い所は緊張の連続です。荷物は軽いに越したことはありません。
北海道は営業小屋がないので、水を買うことはできません。水が取れない時期になるとさらに重くなります。
日帰りだと水込みでも5kgほどだと思いますが、テント泊なら15kgになるかもしれません。
「水は命」削るわけにはいきません。
私がULを意識するようになったのは、ニュージーランドのミルフォード・トラックを歩いた時でした。
約54km、3泊4日の完全予約制で、決められた山小屋に泊まり、整備されたトレイルを歩くのですが、この時の私の装備は、水も十分に取れる小屋泊にも関わらず、20kgになっていました。
せっかくの機会だからと大きな三脚や交換レンズを持ち、日本と違う環境で心配だからとアレもコレもと増えていったのです。
他の人はニコニコ笑っておしゃべりしながら歩いているのに、私だけヒーヒー言いながら、目的地に到着するのはいつも最後でした。
本来、山用に作られたギアは「高性能」で「頑丈」で「耐久性」に優れています。これに「快適さ」や「撮影機材」を加えると荷物が増え、重くなります。
軽量化はそれらとのトレードオフになります。
何を削るかは人それぞれですが、命を繋ぐアイテムを厳選するのです。
UL用のギアは高価なものが多いので、3年かかりましたが、自分の体重を合わせて20kgの軽量化に成功しました。
しかし、大事なのは道具を軽くすることではなく、必要最小限の装備で自然とつながる感覚を得ることだと思います。

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