8月2日(金)晴れ
K2で滑落した世界的なトップクライマー2名(平出和也氏、中島健郎氏)の捜索が打ち切られました。遭難地点が特定できてもヘリでの救助が困難という状況でした。そこへ辿り着けるスキルのあるトップクライマーが現場で待機しているわけでもありません。助けたくても誰も助けにいけない場所なのです。
残された家族はとても辛いと思いますが、前人未到の挑戦をしてきた冒険者達に謹んでお悔やみを申し上げます。
あまりにもレベルが違う次元にいる方々なのですが、撮影機材を担いで山に登り、撮影をすることの大変さは理解できます。まだ見たことのない世界を見たいという情熱とそこに行けるスキルを持った限られた人間であるからこそ、映像に残して人々に伝えたいという気持ちも分かるし、彼らの挑戦を応援するファンも沢山いました。
登山中に遭難救助され、バッシングを受けているケースもありますが、誰も遭難したくて山に行くわけではありません。
天気の急変による気象遭難や加齢による体力の減退など、様々な要因があると思います。
登山をしない人にとっては危険を冒してまで、山に登る必要があるのかと思うのかもしれません。
私は2010年に初めてソロで大雪山系の黒岳に登りました。紅葉も初冠雪も過ぎた10月初旬、秋晴れの気象条件が良い日でした。
層雲峡にあるロープウェイ乗り場からロープウェイとリフトを乗り継ぎ、七合目の登山口からスタートします。少し登っただけで、眼下には雲海が広がっていました。
ここは比較的傾斜が急なので、登るための筋肉が出来ていなかった私は、息を切らしながら、山頂を目指しました。
山頂からお鉢平方面に広がる雄大な景色を見た時、それはもう感動し、この日から私は大雪山の虜になりました。汗をかきながら、自分の足で歩くという、ちょっと辛いプロセスが相乗効果となり、感動がより大きくなるのだと思います。
誰かの後を付いていくだけの他力本願なスタイルから独立した記念日です。
この日歩いた距離はたった3kmほどですが、それから少しずつ経験を積んで、小さな失敗を繰り返しながら、大きな怪我もなく歩き続け、今では30km歩けるようになりました。
歳は取りましたが、その後始めたヨガやテレマークスキーのおかげで、あの頃よりもずっと体力と柔軟性がつきました。
登山を始めて本当に良かったと思います。

コメント