りんご箱のリメイク

10月29日(火)曇り

私がアトリエとして使うために購入した倉庫は30年前は野菜と果物が売られていた市場で、何度か行ったことがありました。

いつ閉店したのかは記憶にありませんが、看板がついたままシャッターはずっと下りていました。

登記簿にはこれまでの持ち主の名前が並びますが、直前の持ち主は市場をやっていた人とは別で、近くに住んでいる農家の方でした。

私は窯の移設先を探すのに必死でした。地元に残っている同級生や交流のある議員さんなど、色々なネットワークを使って探してはいたものの、条件に合う物件はそう見つからないのです。

家はいらない、倉庫だけでいい。

スティーブ・ジョブズもビル・ゲイツも、ガレージからスタートしています。今はインターネットの力で世界中に発信することができるのです。

持ち主が分かった段階で突撃訪問したのですが、たまたま外に息子さんがいて、直接話をすることができました。

「農機具を置いているだけでほとんど使っていないから構わないよ」といった感じでした。

中を見せてもらうと、農機具の他には市場の時に使っていたものがそのまま残っていて、倉庫の半分はゴミでした。

ゴミの片付けは一人でできるものではなかったです。

残したものは木製のテーブル、りんご箱、鉄製のザル、スチール製のラック、薪ストーブの煙突ぐらいでした。プラスチックは経年劣化で粉々になるけど、土には還らなくて、今も破片がボロボロ出てきます。

外にあった壊れた仮設トイレは産業廃棄物で、専門業者に解体をお願いして処分してもらいました。まだ水もトイレもありませんが、トイレの設置に関しては慎重に検討したいと思いました。

好きなことを続けるためにアトリエを構えることを決めましたが、未来に何を残していくかは真剣に考えなければならない問題だと思いました。

気に入ったモノを大切にして、直せるものは直して、飽きたらリメイクして、新しい命を注ぐ。

市場から引き継いだものをリメイクして使おうと思っていましたが、昨日はやっとりんご箱に色を塗りました。木箱は作品を運ぶときにも使えるし、いくつか並べて天板をおけば展示台にもなります。

アウトプットを続けてきて、やっとクリアになってきましたが、ここはモノ作りが好きな人が集まれるような空間にしたいと思います。

今も昔も大切なのは「ネットワーク」なのです。

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