希少な高山植物を守るために

8月5日(月)曇りのち晴れ

近くても登れない山というのがあるのですが、芦別市の南部に位置する夕張山系の崕山(きりぎしやま)です。

植物学的にも貴重な高山植物が多種にわたって生息している場所で、オーバーユースによる踏みつけや大盗掘で絶滅の危機にありました。

地元芦別市に「崕山自然保護協議会」が1999年に設立され、5年間の入山制限を実施した結果、高山植物の回復傾向が見られるため、現在では年に一度(6月頃)のモニター登山が行われるようになりました。

私は去年から応募するようになりましたが、2年連続で落選しました。今年のモニター登山では抽選で30人(倍率14倍)が選ばれたそうです。

北海道内には他にも希少な高山植物が見られる山があるのですが、ヨーロッパのアルプス山脈で咲く「エーデルワイス」によく似た「オオヒラウスユキソウ」は、石灰岩地の岩場に咲く花で、北海道では島牧村の大平山(おびらやま)と崕山のみで咲くそうです。

島牧村までは片道250kmあり、下道で5時間ほどかかります。

移動距離が長いことと入山者を規制するため登山道が整備されていないため、これまで二の足を踏んでいました。

しかも、石灰岩地は熱がこもりやすいようで、暑さ対策も必要になりますが、やっと行けました。

駐車場から山頂までずっとアブやヤブ蚊の襲来を受けながら、ジャングルのような森の中を進んでいくのです。少しでも立ち止まるとすぐに刺されるので、休憩中も動き続ける感じです。

私はとても虫に刺されやすい体質で、藍染めバンダナを2枚使って顔と首を守りました。3ヶ所ほど刺されましたが、虫除け効果はあったと感じました。

ここは花の山として有名なので、日本全国から登山者は訪れますが、実際に歩いてみた感想は、整備された登山道しか歩いたことのない人は相当厳しいと思いました。

安易に入山する人を制限しようという意図が随所に見られましたが、本当に困難な箇所には補助ロープもあり、ギリギリの手助けはしてくれる感じです。

おかげでこれまで見たこともない美しい花を愛でることができました。

花を見るために山に登るようになった自分に驚きますが、これまでいくつもの藪を漕いできた経験が大いに役立ちました。

過酷な環境でも種を繋ぐ植物は本当に逞しいし、こうやって自然を守ろうとする自治体の取り組みや意向には大いに賛成します。

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