11月27日(水)雨
私のアトリエにはまだ水道が通っていなくて、トイレもありません。かろうじてあるのは電気だけです。
開窯イベントまでに水道工事だけは終わらせたかったのですが、市内の指定業者は公共工事で大忙しで、まだ見積りも来ていない状況です。自分一人で使う分ならばポリタンクで運んでおけばいいのですが「陶芸体験できます」と告知したので、そこは間に合わせたかったです。
結局、お隣さんにご相談して、外にある散水栓にホースを繋げてくれ、自由に使わせてもらいました。
田舎で何かを始める時に一番大切なのは「ご近所付き合い」だと思います。
変なのがやってきたと思われないように窯を設置する前にご挨拶をしていましたが、開窯イベントの日はイルミネーションでライトアップをしたので、キラキラに誘われて反対側のお隣さんも様子を見に来てくれました。しかも、陶器が好きというのだから、まずまずの滑り出しです。
そこに私の山友達がやってきたのです。彼らは水道・電気・ガスのない(インフラゼロ)の環境で生き抜く術を持っています。
メンバーのほとんどは札幌から来ていて、ススキノまで徒歩数分という人もいます。
そんなメンバーが2日間ずっとサポートをしてくれるのだから、私はイベントに来てくれたゲストの対応をするだけいいのです。
メンバーは炊き出しの準備をしてくれ、薪を割り、会場を飾り付け、コーヒーを提供し、後片付けをしてくれます。時には接客し、サクラになり、会場を盛り上げてくれました。
特に打ち合わせもしていませんが、各々が出来ることを考えて、動いてくれるのです。感心するほど良い流れが出来ていました。
初日の夜から雪が降り出しました。当然ですが、外は氷点下です。
強く、逞しく、しなやかで、人生経験が豊富で、多少のことには動じない、肝が据わったチームです。
山は私に生き方を教えてくれただけではなく、チームという大切な宝物をくれました。
翌日の窯出しにもお隣さんが来てくれましたが、ここで7人泊まったことを話すととても驚いていましたが、私達の持っているスキルは一般的には考えられないことのようです。
世界を見渡すと日本がいかに便利で豊かであることが分かります。蛇口をひねると水が出たり、スイッチ一つで電気が使えるのは当たり前ではないのです。
それを感じられるアトリエにしたいと思います。
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